電子伝達系解説なし



下に解説があります。

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解説
 このアニメはミトコンドリアの内膜で行われる電子伝達系の様子を示すものです。画面上には解説を表示せずアニメが何度も繰り返されます。

 電子伝達系の内容が理解されていないとアニメだけでは良く分からないと思います。以下の解説とアニメをみて下さい。

 ミトコンドリアの内膜には、シトクロム(鉄原子を含むヘムタンパク質群)のような電子伝達体やシトクロム酸化酵素・ATP合成酵素などの酵素などが集まった電子伝達系が組み込まれています。それらによって呼吸基質から取出された水素をもとに大量のATPが合成されます。

 解糖系とクエン酸回路で脱水素酵素によって取出された水素は補酵素であるNAD、FADと結合し内膜にある電子伝達系に運ばれてきます。そして水素はNADH脱水素酵素複合体によって水素イオン(H+)と電子( e- )に分解され、 H+ はマトリックス側に出され e- は内膜のタンパク質群に次々受け渡されエネルギーを放出します。

 脱水素されたばかりの水素の e- には光合成で注入されたエネルギーがたくさん含まれていますのでこの e- からエネルギーが取出されます。ただし、この放出されたエネルギーが直接ATPの素になるのではないので注意しなければなりません。このエネルギーはマトリックスにある H+を内膜と外膜の間の膜間腔に移動させるために使われるのです。アニメでは下のマトリクスから上の膜間腔に H+ が急激に移っている場面がありますが、それが電子から放出されたエネルギーによって H+が移動してることを示しています。 H+ が移動するのはNADH脱水素酵素複合体、シトクロムb複合体とシトクロム酸化酵素複合体の3カ所です。これらの複合体は H+のイオンチャンネル(プロトンポンプ)になっており電子から得られたエネルギーを使い H+を膜間腔へ移すことができるのです。アニメでは1カ所の複合体で8個ずつの H+ が移動するように示されていますがこれは私の想像によるものであり根拠はありません。

 それではATPはどのようにして合成されるのでしょうか。それは1961年にミッチェルによって提唱された化学浸透圧説によって説明されています。この説は電子伝達に伴って膜間腔に H+が蓄積され生じる膜内外での H+ の濃度勾配を駆動力として、 H+ がATP合成酵素を通ってマトリクス側に流れるとき、水流による発電のようにATPが合成されるという考えです。 アニメでもH+ がATP合成酵素を流れ落ちてATPが合成される様子が描かれています。ただし、このアニメは H+ の移動を単純化しイメージしたものですから、本当に H+がこのようにいっぺんに移動しATPを合成するのかどうかは分かりません。

エネルギーを放出した e- はマトリクスに戻ってきた H+ と結合し水素原子になり、その水素原子はシトクロム酸化酵素によって酸素と結合させられ水分子となって一連の電子伝達の過程が終了します。