クレアチンリン酸


下に解説があります。


解説
 筋収縮のエネルギーはATPから供給されますが,筋細胞に蓄えられているATPの量は少ないため、強収縮を数秒間続けるとATPが消費されてしまい運動できなくなります。
 
 しかし、筋肉はクレアチンリン酸としてエネルギーを蓄えており,これを分解して直ちにATPが再合成され筋収縮を続けることができます。このクレアチンリン酸はATPの5倍量ほど含まれています。それでも、全力疾走のように激しい運動をすると、10秒程で使い果たしてしまいます。

 運動開始からほどなくしてクレアチンリン酸も枯渇してしまいますが、そのうちに筋肉は蓄積しているグリコーゲンをグルコースに分解し、解糖や好気呼吸でATPを生成することができるようになるので、運動を継続することができます。

 解糖の場合は、酸素の供給が間に合わない激しい運動でもATPを生成することができるという利点がありますが、疲労物質である乳酸を最終産物として蓄積するので筋収縮運動を数分以上は持続できないという欠点があります。

 酸素の供給が間に合うあまり激しくない運動であれば、好気呼吸によるエネルギーでATPを再生産できるので長時間の筋収縮をすることができます。そして、あまったエネルギーを使ってクレアチンリン酸を再合成することもできます。

 以上のように、骨格筋には3段階にわたるATP補給方法が備わっているため、補食行動や逃避行動を素早く起こせて、しかも途中でのATP不足を起こりにくくすることができるようになっており、生命を維持するのに大変役立っています。